スタートアップのM&Aがイグジットが増えてきた。
国を上げた起業ブームで起業家の絶対数が増え、リスクマネーの総量の増加により日本のスタートアップの裾野はこの10年で拡がった。
一方で、イグジットとしてのIPO件数はここ5年でほぼ横ばい。全く増えていない。
上場承認をする東証上場審査部のリソースを考えても100件程度が現実的なラインだし、証券会社や監査法人といったIPOに関与するプレイヤーも人不足で案件を受けられないという事態に陥っている。
兎にも角にも、入り口の企業数や資金調達をしたスタートアップの数は増えているものの、出口のIPO件数は構造的に増えない。
では、IPOという出口が封鎖されている以上、次に出口として見えてくるのはM&Aだ。
これが構造的にM&Aが増えている要因だろう。
そこで以下ではこれまであまり注目されてこなかったMAイグジットに関する様々な論点について取りまとめようと思う。今回はアーンアウト条項に関する税務についてだ。
M&Aの際に買い手が売り手につける条件としてアーンアウト条項というのがある。
アーンアウト条項とは買収成立後の業績次第により買収対価を後から調整することだ。
基本的には、買収後数年間に目標が達成できれば、追加で買い手から売り手にお金をお支払いする契約である。
端的には不確実性が高いM&Aというプロジェクトを買い手と売り手が一緒に実行していく中で、まずは買収時に手付金をお支払いし、残りについては出世払い(出世しなければ払わない)という契約だ。