9月6日にJCBA(日本暗号資産ビジネス協会)から「暗号資産発行者の会計処理検討にあたり考慮すべき事項」という暗号資産の会計に関する取扱いを示すガイダンスがリリースされた。
また、同日に日本公認会計士協会からも「Web3.0 関連企業における監査受嘱上の課題に関する研究資料」という暗号資産を用いてビジネスする上での会社がリリースされている。
これらは同日付で自民党デジタル社会推進本部web3PTにおいて「web3企業の会計監査に関する新たなガイドライン」での報告を受けてリリースされたものと考えられる。
これら2つの団体からリリースされた2種類の資料について、まずはその関係性について解説するところから始めよう。
何故2つの団体から似たような資料が同日付でリリースされているかという点から解説したい。
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)からリリースされたガイダンスは暗号資産の会計処理に関する考え方を提案している。一方で、日本公認会計士協会(JICPA)からリリースされたガイダンスは暗号資産の会計処理が反映された決算書が正しいかどうかを監査する際のガイダンスとなっている。
これらは似て非なるものだ。
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)、日本公認会計士協会(JICPA)というガイダンスを出した団体の違いから両者の違いは説明できる・
暗号資産ビジネス協会は暗号資産をビジネスに用いることを目的に民間企業が集まった団体である。つまり、「暗号資産をビジネスで用いたい!でも、会計基準がないからどうやって会計処理していいか分かりません!」という課題に対する打ち手としてリリースされたのが「暗号資産発行者の会計処理検討にあたり考慮すべき事項」である。
一方で、日本公認会計士協会(JICPA)は監査を独占業務として認められた公認会計士で構成される団体である。つまり、「暗号資産の取引に関する監査手法が分からない」という課題に対する打ち手としてリリースされたのが「Web3.0 関連企業における監査受嘱上の課題に関する研究資料」である。
この2つの関係性は上記のとおり。繰り返しになるが、ビジネスを営む事業者が遵守する会計処理のルールと、その会計処理が正しいかどうかを検証する監査のルール。
では、その準拠性はどうだろうか?つまり事業者や監査法人に対してどれほど強制力を持っているか?
結論、強制力は強くないと言わざるを得ない。